株式会社ずんだもん技術室AI放送局

AIやテクノロジーのトレンドを届けるPodcast。平日毎朝6時配信。朝の通勤時間や支度中に情報キャッチアップとして聞いてほしいのだ。

マジカルラブリー☆つむぎのピュアピュアA.I.放送局 podcast 20250623

2025年06月23日

MP3ファイルをダウンロード

内容紹介

GitHub Copilotの「Agent mode」が正式リリース、MCPはプレビュー版提供開始、データ分析領域へのLLM導入動向(各分析ソリューション会社の動き)、Software 3.0 時代を楽しく生きる - As a Futurist...

出演者

春日部つむぎ
春日部つむぎ

関連リンク

「GitHub Copilot」というAIアシスタントが、エンジニアの開発作業を強力にサポートする新機能「Agent mode(エージェントモード)」を正式にリリースしました。さらに、AIがさまざまな外部ツールと連携するための新しい技術「Model Context Protocol(モデルコンテキストプロトコル、略してMCP)」のプレビュー版も提供が開始されています。

GitHub Copilot「Agent mode」とは?

これまでのGitHub Copilotは、皆さんがコードを書くときに「Ask mode」として、質問に基づいてコードの候補を提案する機能が中心でした。しかし、今回正式リリースされた「Agent mode」は、さらに進化したAIのサポートを提供します。

Agent modeでは、「この機能を追加してほしい」「このバグを修正してほしい」といった、より大きな開発タスクをCopilotに指示できます。すると、Copilot自身がそのタスクをどう進めるか計画を立て、コードの解析や編集、コマンドの実行、エラーへの対応、自己修正といった一連の作業を自動で繰り返しながら、タスクを最初から最後まで自律的に処理してくれます。まるで、AIがあなたの隣でペアプログラミングをしてくれるようなイメージです。

もちろん、AIが勝手にすべてを進めるわけではありません。皆さんは、AIが進めている作業内容を途中で確認したり、必要であれば内容を編集したり、作業を元に戻したりと、AIの進行をコントロールすることが可能です。これにより、開発者はより複雑なタスクをAIに任せつつ、最終的な品質を自身で管理できるようになります。

「Model Context Protocol(MCP)」とは?

現在プレビュー版が提供されているMCPは、AIエージェントが、さまざまな外部ツールやサービスと標準的な方法で連携できるように設計された技術です。

将来的には、データベース、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)、モニタリングシステムなど、開発で使う多種多様なツールとAIがスムーズに連携できるようになることが期待されています。これにより、開発環境がさらに強化され、AIがより広範囲な作業を自動でこなせるようになる可能性があります。MCPはオープンソースとして公開され、Visual Studioなどの開発ツールでmcp.jsonファイルを使って設定することができます。

その他の便利なアップデート

今回のアップデートでは、他にもいくつかの機能が追加されました。AIへの指示(プロンプト)をファイルとして保存し、再利用したりチームで共有したりできるようになりました。また、より高性能なAIモデルである「Gemini 2.5 Pro」や「GPT-4.1」にも対応し、より賢いコード提案やタスク処理が期待できます。さらに、AIの出力結果を確認しやすくなる「出力ウィンドウ参照機能」も追加され、使い勝手が向上しています。

これらの新しい機能は、GitHub Copilotが単なるコード補完ツールから、開発プロセス全体を支援する強力なAIアシスタントへと進化していることを示しています。新人エンジニアの皆さんも、これらのAIツールを上手に活用することで、日々の開発作業をより効率的に、そしてより楽しく進めることができるでしょう。

引用元: https://codezine.jp/article/detail/21768

データ分析の分野で、AI、特に「大規模言語モデル(LLM)」の導入が急速に進んでいます。これにより、これまで専門家だけが行っていたデータ分析が、より多くの人が手軽に、そして効率的にできるようになりつつあります。データ分析はどんな企業でも非常に重要で、市場規模も大きいため、GoogleやAmazonといった大手テクノロジー企業もこぞってLLMを使った新しいデータ分析ソリューションの開発に力を入れています。

最近の大きなトレンドの一つが、自然な日本語の質問から、データベースを操作するための専門言語である「SQL」のコードを自動で生成する「Text-to-SQL」という技術です。これにより、プログラミングの知識がないビジネス担当者でも、「先月ニューヨーク市のクリニックを訪れた糖尿病患者数は?」といった具体的な質問をするだけで、必要なデータを直接データベースから引き出すことが可能になります。これは、これまでデータ分析担当者が手作業でSQLを書いていた手間を大幅に削減し、データ活用のスピードを飛躍的に向上させます。

このText-to-SQL技術は日々進化しており、xAI社のGrok-3やOpenAIのGPT-4.0系列といった最新のLLMモデルでは、約70~80%という高い精度で正しいSQLを生成できるようになっています。しかし、まだ完全に完璧ではなく、2割前後の誤答(例えば、データの結合間違いや集計ミス、フィルタ漏れなど)が残る場合もあるため、特に重要な分析を行う際には、人間による最終確認が依然として重要です。

すでに企業向けの実用的なソリューションも登場しています。例えば、Amazon Web Services(AWS)は自社のLLMである「Amazon Nova」を使って、自然言語から安定したSQLを生成するサービスを提供しています。Nova ProモデルがSQL文を生成し、Nova Liteモデルがその実行と結果の整形を担うといった形です。また、Google Colabのようなデータ分析ツールにも、AIがコード作成やデータ可視化を支援する「データサイエンスエージェント」といった新機能が統合されており、分析担当者が日本語で指示するだけで、裏側のSQL問い合わせまで自動化できる環境が整いつつあります。

新人エンジニアの皆さんにとって、LLMがデータ分析に貢献するこの大きな流れは、自身のスキルを広げる上で非常に重要な情報です。AIがデータ分析のプロセスを効率化し、誰もがデータから価値を引き出せるようになることで、皆さんの業務の幅も大きく広がっていくでしょう。この新しい技術トレンドを積極的に学び、活用していくことが、これからのキャリアを築く上で大いに役立つはずです。

引用元: https://note.com/nurruttan/n/ne128e0028d9f

この記事は、著名なAI研究者Andrej Karpathy氏が提唱する「Software 3.0」という考え方をもとに、AIエンジニアとしてこれからどう考え、どう行動すべきかを、筆者の視点も交えて分かりやすく解説しています。

ソフトウェアの進化は三つの段階で説明されます。 Software 1.0は、私たちが普段プログラミング言語を使ってコンピューターを直接動かす、これまでのソフトウェア開発の形です。これはGitHubなどでコードが共有されてきました。 Software 2.0は、2010年代から実用化された「ニューラルネットワーク」を使った機械学習モデルの時代です。これは、大量のデータから自動的に学習した「重み」(モデルの頭脳にあたる数値の組み合わせ)によって、画像認識などで従来のソフトウェアでは不可能だったことができるようになりました。Hugging Faceなどでモデルの重みが共有されますが、これを動かすには専門知識が必要です。 そしてSoftware 3.0は、2020年代に注目を集める「大規模言語モデル(LLM)」の時代です。自然言語(人間が話す言葉)で指示(プロンプト)を与えるだけで、コンピューターがさまざまなタスクをこなせるようになりました。プロンプトがプログラミング言語のように機能し、LLMと外部のツールを連携させる「エージェント」と組み合わせることで、その可能性はさらに広がっています。LLMを特定の目的に合わせて微調整する「fine-tuning」のような技術も進化しており、今後はより多くのエンジニアがモデルを自分好みに変えられるようになると期待されています。

では、新人エンジニアの皆さんは何を学ぶべきでしょうか? 記事では、Software 1.0から3.0まですべての知識を持ち、「適材適所」で使いこなすことが重要だと強調します。特にSoftware 3.0に足を踏み入れるなら、LLMがなぜ特定の動きをするのか(例:なぜ長い文章が苦手なのか、なぜ会話の履歴を毎回送るのか)といった「LLMの内部構造」を理解することが欠かせません。これにより、より効果的なプロンプトを書けるようになり、新しい技術トレンドも素早くキャッチできます。これはSoftware 2.0の世界への理解にもつながります。

LLMは、かつての「電力」や「OS」のように、社会の基盤となる可能性を秘めています。電力のように安定して供給され、多くのサービスで当たり前のように使われる存在になるでしょう。また、パソコンの「OS」のように、LLMが新たなソフトウェア開発の土台となり、まだ誰も想像していない新しい操作画面(GUI)が生まれるかもしれません。

AIエージェントについては、人間から完全に自律するよりも、「部分的に自律」し、人間の能力を拡張するようなエージェントが現実的だと述べられています。利用者が介入できる余地を残し、適切なタイミングでサポートしてくれるエージェントが求められます。今後10年かけてエージェントはさらに進化し、AIエンジニアの活躍の場を広げていくでしょう。また、エージェントが使いやすいように、システムやツールの設計(例:Tool callingの名前や説明を分かりやすくする)も非常に重要になります。

このSoftware 3.0の時代は、エンジニアにとって、技術を深く学び、新しい発想で社会を豊かにする「楽しい」体験を生み出す絶好のチャンスです。ぜひ、この変化を前向きに捉え、一緒に楽しんでいきましょう。

引用元: https://blog.riywo.com/2025/06/enjoy-software-3_0-era/

VOICEVOX:春日部つむぎ