株式会社ずんだもん技術室AI放送局

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マジカルラブリー☆つむぎのピュアピュアA.I.放送局 podcast 20250630

2025年06月30日

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内容紹介

Google、Gemma 3nをリリース ―エッジデバイスでの動作効率が大幅アップ、フレキシブルなマルチモーダルモデル gihyo.jp、「先週何したっけ?」をゼロに:Obsidian + Claude Codeを業務アシスタントに、Claude Codeの「すぐルール忘れる問題」を解決する超効果的な方法を見つけた気がする、エンジニアとしての価値は、最新技術を追うだけ・既存技術を知っているだけは上がらない「重要な変化と重要でない変化を見極めて、普遍的な基礎も磨きつつ、潮流を変えるような技術ならキャッチすべき」

出演者

春日部つむぎ
春日部つむぎ

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Googleが、軽量AIモデル「Gemma」の最新版「Gemma 3n」をリリースしました。このモデルは、スマートフォンやIoT機器などのエッジデバイスで効率的に動作し、テキストだけでなく画像や音声、動画も理解できる「マルチモーダル」な点が大きな特徴です。新人エンジニアの皆さんにとって、これからのAI開発で注目すべき技術です。

Gemma 3nのすごいポイント

  1. 小さいデバイスでも高性能: Gemma 3nは、少ないメモリ(最小2GB~3GB)で、これまでより大きなAIモデル並みの性能を発揮できます。これは、特別な工夫「Per Layer Embeddings (PLE)」などにより、効率が大幅に上がったためです。スマホやスマート家電など、限られた性能のデバイスにAIを組み込むのがずっと簡単になります。

  2. いろんな種類のデータを理解できる「マルチモーダル」: Gemma 3nは、文章だけでなく、写真、声、動画の内容も理解し、それらを使って応答できます。例えば、カメラで撮ったものについてAIに質問したり、音声指示で動画を操作したりと、より自然な形でAIとやり取りできるようになります。

  3. 用途に合わせて姿を変える「マトリョーシカ」構造: このモデルは「MatFormer(マットフォーマー)」という技術を使っています。これは、ロシアのマトリョーシカ人形のように、「大きなAIモデルの中に、小さなけれど完全に機能するAIモデルが複数入っている」イメージです。この柔軟な構造のおかげで、開発者はデバイスの性能や必要な精度に合わせて、AIの大きさを自由に選んだり、カスタムモデルを作ったりできるようになりました。これにより、AIを様々な環境に最適な形でデプロイできます。

  4. 性能と多言語対応の向上: 日本語を含む140言語のテキストと35言語のマルチモーダル(画像や音声なども含む)な理解をサポート。さらに、数学、コーディング、推論といった分野での能力も大幅に向上しており、幅広いタスクで高いパフォーマンスを見せます。特に画像認識能力が高まり、モバイルデバイスでの応答速度が従来モデルより1.5倍以上速くなりました。

実際に使ってみよう!

Gemma 3nは、Hugging FaceやKaggleといったプラットフォームからダウンロードできるほか、Google AI Studioでも簡単に試せます。また、GoogleはGemma 3nを使った開発コンテスト「The Gemma 3n Impact Challenge」も開催しているので、ぜひ挑戦してみてください。

Gemma 3nは、AIが私たちの身近なエッジデバイスで、より賢く、スムーズに動く未来を切り開く技術です。これからのAI開発を学ぶ上で、この新しいモデルは間違いなく重要なキーワードとなるでしょう。

引用元: https://gihyo.jp/article/2025/06/google-gemma-3n

この記事では、MarkdownエディタのObsidianと大規模言語モデル(LLM)であるClaude Codeを組み合わせ、日々の業務を効率化する「知的業務アシスタント」を構築する実用的な方法が紹介されています。従来のメモツールが単なる「記録」に留まっていたのに対し、AI(LLM)と連携することで、情報を「記録→検索→分析→洞察」する一連のワークフローが自動化される点が大きなポイントです。

このシステムを導入することで、特に以下の三つの大きなメリットが得られたと筆者は述べています。

  1. 過去の情報をすぐに引き出せる: Obsidianに記録された膨大なメモをClaude Codeが分析することで、「先週のあの会議で話した内容は?」といった具体的な質問に対し、関連するメモを要約して教えてくれます。これにより、複数のプロジェクトを同時に進める際などに起こりがちな「どこに情報を書いたか分からない」「キーワードが思い出せない」といった課題が解決し、必要な情報に素早くアクセスできるようになりました。
  2. 週次振り返りが簡単に: 毎週の振り返り作業が格段に楽になります。過去1週間分のデイリーノートや会議の記録をClaudeに読み込ませるだけで、その週の作業内容や良かった点、改善すべき点、具体的なアクションを自動でまとめてくれます。これにより、週の初めに「先週何をしたっけ?」と悩む時間を減らし、効率的にスタートできます。
  3. タスク管理もできる: 日常業務で発生する様々なタスク(会議での決定事項、チャットでの依頼、作業中の思いつきなど)をObsidianで一元管理できます。どこにタスクを書き込んでも、Obsidianのクエリ機能を使えば自動的に一つのタスクリストに集約されるため、タスクの漏れを防ぎ、優先順位付けも効率的に行えます。未着手、進行中、レビュー中、完了、中止といった細かなステータス管理も可能です。

これらのメリットを実現するために、筆者は具体的に以下の工夫を実践しています。

  • デイリーノートの活用: 毎日作成するデイリーノートを、その日の全ての情報の中心(ハブ)として利用しています。
  • thinoプラグインによるこまめな記録: 短いメモや思いつきを気軽に記録できるthinoプラグインを導入し、さらにコマンドラインから簡単にメモを残せるようにすることで、継続的な記録習慣を身につけています。
  • ミーティングメモとGemini要約の活用: Googleドキュメントで会議メモを取り、Google Meetの録画とGeminiによる自動要約機能を活用して、会議の詳細な情報を効率的に記録し、Obsidianに保存しています。
  • ObsidianとClaudeの連携: MCP Tools for Obsidianを使ってObsidianとClaude Codeを連携させ、コマンドエイリアスを設定することで、必要な時に素早くClaudeを呼び出し、情報の検索や分析を行えるようにしています。

この記事のまとめとして、ObsidianとClaudeの組み合わせは、情報が散らばる問題を解決し、知識を統合的に管理する強力なツールであると強調されています。特に、コマンドラインを使った記録方法など、自分にとって続けやすい記録方法を見つけることが、このシステムを成功させる鍵であると示唆されています。情報管理に課題を感じている新人エンジニアにとって、自身の業務効率化のヒントとなるでしょう。

引用元: https://www.m3tech.blog/entry/2025/06/29/110000

この記事は、大規模言語モデル(LLM)の一つであるClaude Codeを普段使っているエンジニアが直面しがちな「AIが設定したルールをすぐに忘れてしまう」という困った問題に対する、画期的な解決策を紹介しています。AIは、会話が進むにつれて最初に与えられた指示(ルール)を忘れがちですが、特に厄介なのは、語尾のような「ちょっとした振る舞い」は覚えていられるのに、ファイル作成前の確認や報告形式といった「重要な作業手順」を忘れてしまうことです。

筆者はこの現象を観察し、「AIは、毎回のやり取りで出力する情報をコンテキスト(文脈や状況)として強く維持しやすい」という仮説を立てました。例えば、AIが毎回「〜なのだ!」と話していれば、自分は「〜なのだ!」という口調で話す存在だと認識し続ける、といった具合です。この気づきから、「AIに自分自身に課されたルールを、毎回のチャットの冒頭で出力させる」というユニークなアプローチを考案しました。

具体的には、「AI運用5原則」というルールセットを定義し、その中の「第5原則」で「AIは全てのチャットの冒頭にこの5原則を逐語的に必ず画面出力してから対応する」と定めています。この「第5原則」が非常に重要で、AIはこれに従って、ユーザーとやり取りするたびに、まずこの5原則全体を画面に表示します。

この仕組みのポイントは「再帰性」にあります。AIが5原則を表示するという行動そのものが、毎回「第5原則」によって促されるため、「ルールを表示する」という指示自体をAIが忘れることがなくなります。これにより、他の4つの重要な原則(例えば、実行前のユーザー確認など)も、常にAIの意識の中に残り続けるわけです。

著者の検証によると、この方法をCLAUDE.mdファイルにXML形式で記述して適用した結果、Claude Codeは20回、30回と対話を繰り返しても、設定されたルールをきちんと守るようになったとのことです。これはLLMをより効果的に活用するためのシンプルな、しかし非常に強力なテクニックであり、これからAIエージェントを使い始める新人エンジニアの方々にとっても、知っておくべき実践的な知識となるでしょう。

引用元: https://zenn.dev/sesere/articles/0420ecec9526dc

エンジニアとしての価値は、最新技術を追いかけるだけでも、既存技術を知っているだけでも伸び悩むと議論されています。大切なのは、普遍的な基礎知識をしっかり身につけつつ、世の中の大きな流れを変えるような「重要な最新技術」を見極めて学ぶことです。新しい技術を実際のビジネス課題解決に活かす視点も重要。既存システムの改善提案もできるような、バランスの取れた学びと視野が、新人エンジニアの成長に繋がります。

引用元: https://togetter.com/li/2569692

VOICEVOX:春日部つむぎ